この話は「裏」要素に溢れています。 < 07 遠回しに了承の答えを返した彼女と目が合った。互いに小さく微笑んで、唇を重ねる。 これで三度目の口付けは、最初の蹂躙のものとは違う、先程の衝動のままのキスとも違う。甘く、後頭部をジリジリと焼く。 触れては離し、離れる回数の度に深くなっていく。 いつしか粘着質な音と湿度の高い吐息が混ざり始めて、それらに溺れながらも、骸は京子の体の上に被さったままの学ランを抜き取る。ついでにタオルも床に投げた。 「んッ」 服のどこかが傷を覆うガーゼに引っかかったのか、骸の与えるキスに酔っていた京子の眉が寄る。 そこで少年は少女の腕を首から外させ、一度上体を起こした。 「痛み止め飲んでおきます? もっとも、これから身体を動かしますから、効かないか意味がない可能性がありますけど」 「それって、結局飲んでも変わりがないんじゃ……」 「ええ、そうです」 「…………飲まないでいます」 「色気がない会話ですね、僕達」 「ほんと」 彼女が苦笑する。その表情にうっすらと恐怖と痛みが浮かんでいる事に気付いていたが、あえて見えない振りをした。 華奢な身体に体重をかけないよう気をつけながら、京子の鎖骨の間に唇を落とす。 音を立てて吸えば、白い肌はたやすく赤い花を散らせた。 ふくらみを包むブラジャーの縁を噛み、胸を半端に露わにする。小振りとはいえ男と違うやわさをチロリと舐めれば、少女の身体が反応した。 骸の手が触れ、唇が所有印を刻んでは跳ねる背に手を差し入れ、ブラジャーのホックを外す。 顔を出したふたつの果実に顔を寄せ、鼻先に当たる柔らかさを楽しんだ。 「ああ……温まってきましたね」 血を失ったせいか少し冷えていた身体が、刺激を受けてゆっくりと熱を灯し始めている。 胸を両手で掬い、やわやわと形を変える。肌がしっとりと手に馴染む頃には、京子の息は上がっていた。 「は、っ……」 つんと立ち上がった左の先端を人差し指と中指の間で挟んで、若干強めに引っ張りながらふくらみを親指で擽る。 「っ、い……」 快楽で身を跳ねさせると傷が痛むらしい京子は、時折眉を寄せる。蕩ける表情も苦痛に歪む表情も、自分がさせているのだという事実に堪らなく興奮した。 「骸さ……」 喘ぐ彼女の口をキスで塞いで、唾液を注ぎこむ。 この前はこうして女に汚泥を注ぎ込んだのに、今は正反対の感情で体温を与えている。その差異に、ケモノの少年は喉の奥で笑った。 右の胸の尖りをカリリと噛んで、疑問符を顔に浮かべて見てきていた彼女に答えはやらない。 京子の反応が良い胸を舌や歯で弄びながら、右手を下へと滑らせていく。 鼓動する心臓の上から、小さな臍、薄い下腹部、下着の端に手がかかったところで、初めて抵抗らしい抵抗にあった。 「やっ……」 恐らくは無意識に閉じていた両足に、ますます力を入れる。 「京子」 「は、恥ずかしいです」 娼婦や、利用するために誑しこんだ女しか相手にした事がない骸は、生娘とはこんななのかと変に感心した。新鮮ではある。 無理に足をこじ開けず、最後の砦のショーツの縁を指でなぞった。 「ふぁ!」 既に昂りつつある身体は敏感に反応する。 触れては離れ、肌に触っては布に触れ、焦らしでしかない愛撫を繰り返せば、ぴくぴくと身悶える。 「僕のような人間を前に、抵抗は逆効果です」 「あ、えっ……?」 「楽しくなってきますから」 薄い布の下に手を入れる。 肝心なところには触れず、まだ幼そうな茂みを何度も撫でては 「やぁっ」 叫ぶ彼女の耳朶を食み、右胸の頂きを捻りながら囁いた。 「あまり強情だと、傷口を開きますよ?」 ショーツ下の手の親指を、すっと腹の上で滑らせる。 開腹するというジェスチャーは半ば本気の脅しで、京子もそれに気付いたらしい。少し顔を引き攣らせた。 「サド……」 「言いますねぇ。では相応しい行動を取りましょうか?」 ぶんぶんと勢い良く首を横に振る彼女ににこりと笑って、また耳に言葉を吹き込む。 「優しくしてくれるのでしょう? 焦らさないでください」 ズボンの下の熱を京子の足に押し付ける。布越しでも、熱量は感じとれるだろう。少女の顔が赤くなった。 「あまり焦らされると、無理矢理犯しそうです」 すり、と頬と頬を合わせながら言う。 常の骸であれば迷わずそうしているだろう。欲しいものは力尽くでも、どのような手を使っても、奪う。それが自分だ。 それなのに、どうしてだろう。 今の行為においては、出来る限り彼女の意思が添うて欲しいと思っているのだ。 よりによって、この六道骸が! 高笑いしたい衝動をこらえていると、京子の足から力が抜けたのか分かった。 「良い子ですね」 両手で自分の目を隠して恥じらう少女を誉め、邪魔なショーツをするりと脱がす。 まだ少しだけ強張っている足を開いて膝を立たせ、その間に体を滑り込ませて閉じられないようにした。 彼女の左足の丸い膝頭に口付ける。反対の足の内側を、円を描くように愛撫していると、自分の息がとても熱い事を思い知った。 ――餓(かつ)えている。 この極上の獲物を貪りたいと、身体の奥で獣が暴れている。 「はっ……思ったより、僕にも余裕がないみたいですよ」 足の内側に口付け、噛みつき、赤い痕を次々と刻んでいく。 跳ねる足を押さえつけて、秘められた花芯に触れた。 「んんっ!」 入り口をなぞる。開かれた事のないだろう秘所は、綻ばせるように触れると蜜を溢した。 「あっ……あ……っ」 「本当に初めてなんですね」 反応の初々しさについ言ってしまう。処女なんて面倒なだけだと思っていたが、この娘に他の男が触っていないのは喜ばしい。 「でも感度は良い」 一度蜜を流したそこはわずかな刺激にも過敏に反応し、とろとろと新たな雫を流して骸を誘う。指にたっぷりとその潤いを塗って、彼女の中にそれを沈めた。 「ひ……っ」 悲鳴に似た声が彼女から上がる。 「痛みますか?」 「ア……は……ひあっ!」 答えが返ってくる前に、隠れていた花の芽をきゅっと摘む。 今までで一番激しい反応を示した彼女は、自分の身に何が起きたのか分からないらしく、くったりと軽い放心状態になった。 「そのまま……」 届かないだろう忠告を言い捨て、京子の中にある指をさらに奥へ奥へと進めていく。身体に力が入っていないせいか、抵抗薄く侵入を果たした。 「まずいですね」 「な、にが……です、か?」 「僕がです」 「え? んぁ……ッ!?」 まだ幼い秘所をぐちぐちと押し広げる。蕩かしたせいか痛みはさほど感じていないように見えるが、骸を迎え入れるには狭過ぎるだろう。 時間をかけて慣らすべきだと分かっているのに、もう理性は限界だった。赤く花が咲いた足の内側をぺろりと舐めて、問う。 「痛むかもしれませんがもう良いですか? 入れたくて」 「んんぅ……!」 やっと二本の指を受け入れたそこを舌で濡らしていく。 早くこの女を喰らいたい。 憎しみに似て非なる感情を持て余す少年に、小さな手が伸びる。頭に触れられ、少女の甘露に夢中になっていた骸は顔を上げた。 「食べて、良いですよ」 「……っ……」 京子が微笑んでいた。 表情にうっすらと不安や恐れ、痛みを刷いているのに、慈愛溢れるきれいな笑顔で。 健気な姿に心打たれる部分もあったが、少しだけ骸は"面白くない"と感じた。自ら求めるほど行為に溺れきった京子を見てみたかったのだ。 しかしそこまで持ち込めるほど、自分には余裕がない。 「っ……あァ!」 ずるりと指を引き抜く。蜜とわずかな血で塗れたそれを舐めながら、自分の着衣を脱ぎ捨てていった。 少女同様生まれたままの姿になって、投げ出されている体の上に圧し掛かる。 何度もキスを交わして、合間に囁きかけた。 「力を抜いて」 「は、い……」 すらりとした足を抱え、すっかり硬くなっているものを京子の秘所に宛がう。 ダイレクトに感じる熱さに衝動のまま貫こうとするのを堪え、ゆっくりと腰を進めていく。 「ッ」 少女が息を詰める。開いていくその身体から、メキメキと音がしそうな気がした。 内壁が侵入者の骸を排除しようと締め付けて、冗談ではなく千切られそうだ。 「くっ……」 仕方なく挿入するのを一度止めて、目を閉じて縮こまる京子の口をこじあけて指を入れる。 「ンむっ」 「息を吸って。吐いて」 彼女の息と舌の動きを指が感じて、骸の興奮を助長する。滅茶苦茶に突き入れて動かしたいと吠える獣を見ぬ振りをして、目の前の女に意識を持っていく。 「深呼吸してください。そう。ゆっくり吐いて、吸って、吐いて」 「は……」 呼吸した事により身体の力が抜けた瞬間、骸は京子の中に押し入った。 |