*ほんのり百合風味な髑髏・京子。嫌いな方はプラウザバック推奨。










 大きなベッドに子猫が二匹。



「京子と髑髏はどうしました?」
「京子は眠たいと言って寝室へ行きました」
「髑髏はふらっとどこかへ行きましたぴょん」

「……一緒に寝てますね、これは」
「まず間違いないかと」
「あいつらくっつき過ぎれす」



 一匹は黄朽葉色。うとうとまどろんで。
 一匹は黒色。もう一匹に甘える。
「きょうこ」
「うん」
「きょおこ」
「うん……どくろちゃん?」
 自身の胸に鼻先を埋める黒猫に、どうしても目が開かない黄朽葉色の猫は答える。重い腕を持ち上げて、構ってと主張する黒猫の髪を撫でた。
「寝、かせ、て?」
 とろりとしたお願いに頬を膨らませるもう一匹。
「骸様ばかりずるい。私も京子と遊びたいのに」
 黄朽葉の猫のベビードールの胸元の紐を口で引っ張ってくつろげた黒猫は、眠りかけの相手に構わずぺろりと肌を舐める。
「くす、ぐった……ん」
「あったかい」
 ぼやけた反応をする黄朽葉の猫の胸に頬を当てて、黒猫がうっとりと囁く。そのまま顔の位置を下へとずらしていって、ところどころに口付けていった。
 本格的な遊びに入ろうとする黒猫を、押し留めたのはやはり黄朽葉色の猫。
 ゆっくりと黒猫の髪を撫でて、愛しさ溢れた言葉を落とす。
「いっしょに、ねよ?」
 今まで開かなかった黄朽葉色の猫の双眸が、黒猫を見ていた。
 その目のあまりに魅力的な甘い誘いに、黒猫は逆らえない。仕方なく遊びを中断して、黄朽葉色の猫の鼻と自身のそれを合わせる。
 ほにゃりと笑む黄朽葉色の猫につられて微笑んだ黒猫は、すぐに眠る体勢になった相手の唇に口付けた。
「……ん……」
「んっ……は」
 黄朽葉色の猫の恋人で、自分の全てのあの人の真似をしていた黒猫だったけれど、せっかく口付けを交わしている相手がくたりと寝てしまった事に気付いて行為をやめた。
「もっとしたいよ、京子」
 いつもなら少し困った笑顔でお願いを聞いてくれる人は、夢の中。
 黒猫は反応の無い寂しさに、黄朽葉色の猫に抱き付く。ごそごそと良い場所を探し当てて、目を瞑った。
 すると、眠っているはずの人が当たり前のように腕を回してくる。
 大好きな黄朽葉色の猫に包まれて、黒猫の機嫌はようやく回復してきた。

「おやすみ。続きはまた後でね」

 仲間達の不機嫌な様子が容易に想像出来たけれど、そんなのは知らない。
 黒猫はクフフと鳴いて、夢路へと進む。



 大きなベッドに子猫が二匹。
 とても仲良く眠っている。




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