「僕、ずうっと京子姉のこと好きだったんですよ」 「ふぅん」 「でもあなたが横から攫っていきました」 「知らないね」 「ええ。そうでしょうね」 「それで僕に何が言いたいの?」 「京子姉は僕がもらいます」 「寝言は寝てから言ってくれる?」 「本気ですから」 「命を捨てるつもりなんだ」 「いいえ。京子姉をこの腕に抱きます」 「良い度胸だね」 「あれから十年経って、せっかく僕が入り込む隙が出来たんです。 遠慮はしないし、命も賭けます」 「ああ、もう何も言わないでくれる。イライラする」 「ええ。言葉をかわす意味はありませんね」 「馬鹿な奴。 ―――咬み殺されろ」 「お断りします。京子姉が泣きますから。 僕は京子姉を僕のものにしたい」 068:それが永遠になるように
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